"家を持ちたい "というのは、頑張って働いている人が、よりよい生活を求めていだく夢です。街に立ち並ぶマンション広告には、理想の家を持つ幸せいっぱいのイメージがあふれています。
台湾は100年の間に2度も統治者が変わったことで、大きな政治的変化と人の移動があったことから、その都度、新しい近代的な住宅や住宅文化が取り入れられてきました。日本とアメリカの建築様式は、前後して台湾の住宅建築に取り入れられ、融合していきました。戦後、台湾への移住者の定住問題を解決するために、国は国民住宅政策を通して住宅問題を緩和しようとしました。
1960年代以降、台湾の経済発展が始まり、工業化、都市化が進む中で、台湾の住宅の景観が形作られ、次第に大量に一括生産した住宅が建てられるようになりました。私たちの「家」は、「規格化・量産化」が進むなかで、近代的な建築システムにより都市に建てられた様々な住宅商品へと生まれ変わりました。
今日では、住宅は「住む」という基本的なニーズを満たすだけでなく、財産形成の投資対象となったことで住宅価格の高騰を招き、その結果、高すぎて手が届かなくなるという社会問題が生み出されています。
「家が欲しい」というのはいつから実現不可能な夢になってしまい、なぜ家を持つことが難しくなったのでしょうか。
特別展では、今の台湾の住宅問題に焦点を当てています。戦時中から戦後にかけての台湾社会の変遷における歴史的背景とその動きを検証し、反省的な視点から皆さまと一緒にこれからの住まいの新しい展開についての対話を繰り広げたいと願っています。