写生とは筆と色彩を用いて、眼前の三次元の景物を平面の二次元に表現する作品である。作品を観る者は、どの時空にいても作品を通じて作者の眼前にある景物を観ることができる。著名な台湾画家である陳澄波は写生を愛したアーティストであった。その作品のほとんどが、描写対象を眼前にして完成されたものであり、また写生の...
国立台湾歴史博物館には、各時代に台湾で遊ばれたテーブルゲームが所蔵されています。こうしたゲームには時代の変遷が刻まれ、その時代を物語るものになっています。各時空における人々の考え方や想像力が投射されているのです。人々はどのように生活、世界をイメージ、ゲームの中で夢や欲望を実現させたのでしょうか。何よ...
記憶はどのように捕捉され、継承されるのだろうか。そして、どのような記憶が保存、伝承されるのだろうか。国立台湾歴史博物館では、2021年から「国家文化メモリーバンク」の管理を引き継ぎ、運営している。人々の共同執筆によるこのデータベースには個人の記憶や物語が蓄積されており、人々が書き、記録し、アップロー...
はじめに公共テレビの『波の音色(原題「聴海湧」)』は、植民地統治下にあった台湾人が、第二次世界大戦中に戦場に動員される姿を描いたドラマである。物語は台湾籍捕虜監視員である新海志遠を中心に展開される。監視員は日本軍の命令により捕虜の管理を任されるが、日本は軍隊式の捕虜管理を行い、戦況が不利になると捕虜...
140年前、フランス政府と清朝がベトナムの帰属をめぐって対立、戦火は海に浮かぶ台湾にも波及、基隆、淡水、澎湖も戦場となったため、台湾全島が貿易封鎖による経済的苦境に陥った。一年以上に及ぶ戦禍、「清仏戦争」のことを台湾人は「西仔反」と呼んだ。「西仔」とは「フランス」のことで...