メインのコンテンツブロックにジャンプします

「先住民、漢民族、官府が織りなす“物”語」番外編 故宮博物院・台湾博物館・台湾歴史博物館 デジタル実験合同展

  • 開催日:2023-04-27
  • 開催日:2024-01-01


2021年から2023年にかけ、国立故宮博物院(故宮)、国立台湾博物館(台博館)、国立台湾歴史博物館(台史博)は文物展示型の合同展を開催し、台湾歴史上の三大主役――先住民(台博館)、漢民族(台史博)及び中国宮廷/官府(故宮)にまつわる各所蔵文物を通じ、台湾の多様な種族がもたらした豊かな物質文化を紹介しました。展覧の主役は通常「展示物」ですが、この「物」から実体を抜き取り、デジタル技術にスポットライトを当てた時、またどんな物語とアイディアが生まれるのでしょうか?

 

本展覧では三館の文物が所蔵館に戻された後、文物のデジタル展示を実験的に試みるというものです。1. 文物のイメージを空間芸術とし、分解・再構築された文物が生き物のように動き出します。空間に現れたデジタル文物と鑑賞者の間に、新たな繋がりが生まれるでしょうか? 2. 文物を3Dプリント技術により複製し、誰もが手に取って文物を体験できる斬新な、またはインクルーシブな展示を試みます。3. 静的な展示では不可能だった展示品の回転などの動きを3Dデジタル文物で実現。動く文物を様々な視点から鑑賞します。4. 文物を様々に組み合わせたデジタルアートは、果たしてどんな視覚的効果をもたらすのでしょうか? 展示会場でぜひ体験してみてください。

 

  1. 【文物の空間芸術】

展示会場全体が一つのデジタルアート作品。

 

アメリカの芸術家ザック・リーバーマン(Zach Lieberman)とデザインチーム自光體設計(ES DESIGN STUDIO)、蛍光系動態芸術(NEONGALAXY)による共同制作で、会場を流れるような映像は三つの博物館が所蔵する文物で創作された、空間を一つの作品とした「クリエイティブ・コーディング」。故宮、台博館、台史博のそれぞれ数百枚の文物画像に現代のオブジェクトを組み合わせ、計2050枚のイメージ素材をプログラミングによる客観的なアルゴリズムにより再構築し、まったく新しい「織り成された景色」を創り出しました。文物イメージが交錯する空間の効果をその中に入って感じください。

 

  1. 【皿の中の宇宙】

皿の文物をモチーフにしたデジタルアート

皿に込められためでたい寓意

皿に描かれた山水天地

皿の縁に装飾された文様や底の銘

皿のすべての装飾文様が動き出したら

どんな万華鏡の小宇宙が見えてくるでしょうか?

 

  1. 【材質の変身】

鼻煙壷の新たな媒材を体験

3Dプリント技術を活用し

鼻煙壷に与える本来とは異なる質感

日常的な媒材を用いた宮廷の精緻な工芸品が

人々の生活に融け込んだ時

果たして斬新な「社交アイテム」の担い手になるのか?

新しい発想から生まれた新媒材の試み

 

  1. 【触感】

インクルーシブな展示を目指した試み

パイワン族の絆と同盟を象徴する「双連杯」を

3Dプリント技術により型を作り

目の不自由な方も手で触れて鑑賞できます

あなたも「触感」で作品を感じてみてください

 

  1. 【言葉のコンテクスト】

創ったのは「読めない文字の世界」

歴史上の文物 vs. 現代生活

宙に浮かぶ不可解な文字に

分かる人は会心の笑みを浮かべ

分からない人はますます難解の渦に…

あなたも解読にチャレンジ

 

  1. 【凝視と問いかけ】

台湾の先住民をモチーフにした日本民俗工芸の泥塑

作品に表れた他者の視線と理解

3Dデジタル文物なら360度どの角度からでも

ディテールまで詳細に鑑賞が可能

あなたの知る真実と疑問も変わってくるかも

 

  1. 【「美」への考え方】

ファッションとは? 美しさとは?

それは個人のスタイルか? それとも社会が生み出す基準か?

3Dデジタル文物インタラクティブエリアでは

異なる意義を持つ二つのファッションアイテムを720度回転

この靴と帽子のコーデなどいかがでしょう?

 

  1. 【「角度」がもたらす視覚】

情欲の世界では

こちらの面から見た時と

裏側から見た時の情景が異なります

秘戯を描いた文物の表と裏の両面を見ながら

AIが生成した画像と照らせば

思わずクスッと笑いを誘うでしょう