日本統治時代の台湾研究は、多くを『台湾日日新報』に依拠してきました。『台南新報』と北部の『台湾日日新報』、中部の『台湾新聞』は日本統治時代における台湾の三大新聞と呼ばれています。『台南新報』には台南の生活が活き活きと記録され、台南の歴史、文化、物、人びとに密接に結びついた台湾の過去を鮮明に記録しており、宗教、民俗、音楽、戯曲、遊芸などに関する記事も多く掲載されています。日本統治時代の台湾社会の実態や庶民の生活を研究する上で重要な史料であり、20世紀初頭の台湾における政治、社会、経済、教育、文化などの側面をより深く理解するのに役立ち、さらには新聞を通じて、報道の背後にある歴史的要因も探ることもできます。一般の人びとや学者、研究者がより利用しやすいよう、台史博は台南市立図書館と共同で同館所蔵の『台南新報』をデジタル化し、『台南新報データベース』を構築しました。当館のもう一つの重要な史料である『台湾民報』と統合し『近代台湾報刊資料庫(新聞データベース)』とし、研究者や台湾史に興味をもつ一般の人びとにさまざまな新聞史料を提供しています。