台湾における歴史上の船といえば、堂々と海を渡る大型船を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし遥か遠洋にではなく、私たちの身近な生活の中にも、実は数多くの船がありました。かつて台南と安平の水上に60年以上も漂いつづけたこの小さな船は、ついに国立台湾歴史博物館へと辿り着きました。この展示では、当館が所蔵す...
無知なのは私たちの見識の方である。私たちは島民たちに名前などないと思っているが、彼らの名には波のような響きがある。陳黎『紅頭嶼・一八九七』より「私は台湾人だ」─この言葉は人々の心を一つにするために使われます。台湾社会では、このことに疑念を差し挟む余地などほぼないように思われますが、「私は台湾人だ」─...
国立台湾歴史博物館では、2000年から今日まで民間からの多くの文物寄贈を受けてきたが、そこには、目上の人が遺した品々も多く含まれている。文物の鑑定によって個人史、家族史が掘り起こされ、今を生きる子孫が、目上の人にまつわる小さな物語を再発見、再認識するのである。「目上の人」、「家族」への共感から、「祖...
"家を持ちたい "というのは、頑張って働いている人が、よりよい生活を求めていだく夢です。街に立ち並ぶマンション広告には、理想の家を持つ幸せいっぱいのイメージがあふれています。台湾は100年の間に2度も統治者が変わったことで、大きな政治的変化と人の移動があったことから、その都度、新しい近代的な住宅や住...